企業の人権意識の高まりに伴い、東証プライム市場の多くの企業がサステナビリティを重視しています。
その一環として、「人権に関する方針」が策定されています。この方針では、「ステークホルダーとの対話を重視する」、「人権尊重の取り組みを推進する」と宣言しています。
最近のジャニーズに関する問題では、多くの会社が社外であるビジネスパートナーやサプライヤーにおいても人権問題が起きた場合には、取引を中止する傾向があります。
現在、多くの会社がジャニーズ所属のアーティストを起用しない方針を表明しています。
実際に多くの大企業は、自社のみならず、自社の事業や製品、サービスに関わる人々にも人権を尊重し、侵害しないよう求めています。
数年前までの、企業が単に人権方針を宣言すればいいという段階から、その実効性を高めるために地道な取り組みが評価される段階に進んでいます。
多くの企業は「調達基本方針」というルールを作り、企業と関わりのある全てのサプライヤーに、共同で守ってほしい指針として「サプライヤー行動指針」を作っています。
そして、サプライヤー側に「サプライヤー行動指針」の目的と内容を理解し、企業と一緒に持続可能な社会を作るために努力してもらいたいと要望しています。
先日、取引のある中小会社様から、東証プライム市場に上場しているA社と取引したいので、内部統制の構築支援をお願いされました。
A社からこの中小企業に対し、「サプライヤー行動指針」に基づいた内部管理体制についてのチェックリストが渡され、各項目の実施状況について確認が行われました。
A社は現場まで足を運び、一つずつ丁寧に実施状況を確認していきました。
事前の内部統制の整備により、この中小企業は無事にA社との取引に成功しました。
大企業は今、取引先に対して具体的で効果的な人権方針などを求めています。
今後、この動きはますます加速するでしょう。
人権に関する内部統制を整備したい中小企業には、まず経団連の「人権を尊重する経営のためのハンドブック」をお勧めしています。