補助金の審査では、いくつかの項目で加点があります。
小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、事業再構築補助金などでは、「えるぼし」認定企業であれば、審査時に加点されます。
えるぼし認定企業とは、女性の働きやすい環境を提供している優良な企業のことです。
具体的には、次のことを行う必要があります。
1. 女性活躍の促進に関する計画を作成する。
2. 作成した計画を社内で共有し、外部にも公表する。
3. 作成した計画を所在地の労働局に提出する。
4. 女性の活躍に関する情報を公表する。(従業員が101人以上の場合は義務、100人以下の場合は努力が必要)
5. えるぼし企業の認定を申請する。
行動計画を作成し、提出した事業主のうち、女性の働きやすさが優れているなどの要件を満たした場合に、えるぼし企業として認定されます。
しかし、私が知っている企業では、女性社員から「名刺にえるぼしがついていて、名刺を使いたくない」という訴えを聞きました。
その理由を聞くと、経営者が補助金を受けるためにえるぼし認定を受けたが、実際には、女性が活躍できる環境になっていないので、その人からみるとえるぼし認定とは言えないというものでした。
最初は加点を目指してえるぼし認定を受ける企業もあるかと思われます。
しかし、多くの企業はえるぼし認定を受けた後、女性が働きやすい環境を整え、女性からの好評価を得ています。
えるぼし認定を受けても、名前だけでは社内のモチベーションが下がりマイナスになってしまいます。
えるぼし認定を受けたいと思っている社長の方々が相談に来られると、まずは何故認定を受けたいのかお聞ききしています。
もしその理由が加点項目だけの場合、認定後に社内にマイナスの影響がある可能性が高いため、再度目的を考える必要があるとお伝えしています。
加点項目だからと言って形式だけを整える時代から、その実効性を問われる時代に移り変わっています。
参考:女性活躍推進法に基づくえるぼし認定、プラチナえるぼし認定のご案内
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000984241.pdf