里親ワイナリーによる醸造技術研修事業がスタートしました
9月25日から、「里親ワイナリーによる醸造技術研修事業」がスタートしました。
里親ワイナリーのヴィラデストワイナリーがある長野県東御市では、今年の夏は気温が上昇し、雨も少なかったため、質の高いぶどうが生育しました。乾燥した環境で育ったため、病気も少なく、酸度や糖度が高い葡萄となっています。
これからワインにする際の品質に大きな期待が寄せられています。
先週は、ソービニオンブランの収穫と醸造が主な作業となりました。葡萄の成熟度やワインの熟成度合いを考慮することが大切です。白ワインと赤ワインは製法が違うため、今回は白ブドウのワインの作り方に焦点を当てて説明します。
- まずは葡萄の一番成熟する時期を見極め、収穫を行います。収穫時には選果作業が欠かせません。これによって成熟していない葡萄や病気になった葡萄は除外され、美味しい質の高いぶどうだけが選ばれます。
- そして、収穫された葡萄は「除梗機」と呼ばれる機械で茎と実を分離します。その後の醸造作業に進むために、この工程はとても重要です。圧搾機から得られた果汁は、タンクに集められます。そこでは亜硫酸塩添加が行われ、酵母やバクテリアの増殖を抑えると同時に、ワインの感覚的な特徴も維持されます。
- その後はデブルバージュの工程が行われます。これは不純物を澄ませてフルーティで自然なアロマのワインを作るための作業です。12時間から24時間後に澄んだ果汁を得ることができます。果汁の澄み具合によって、ワインのクオリティが決まってきます。ワイン作りにおいて重要な工程であり、品質向上に欠かせません。タンクに12時間から24時間寝かせると、不純物が沈殿します。この上澄み液だけを、ポンプを使い外に出す作業が大変です。
- 次に酵母をいれます。ワイン醸造において酵母は自然酵母と培養酵母の2種類がありますが、ここでは「培養酵母」に焦点を当てます。「培養酵母」は、過去の実績で美味しいワインが作れた酵母を選び、培養したものです。白い粉状で、水に溶かして使用します。水に溶かすとイーストのように驚くほど膨らむため、添加時の注意が必要です。酵母の添加方法をテキストからだけでなく正しく理解しながら、ワインの醸造過程を習熟していきます。