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赤ワインと白ワインの製法の違い-今回は白ワインの製造 その1

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ワイン愛好家の中には、赤ワインと白ワインの製造方法の違いを知っている方も多いことでしょう。
しかし、初心者の方には、白ワインの製造において、その大まかな流れを把握しておきたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、今回は白ワイン製造の大きな流れについて解説します。
白ワインの製造過程や発酵・熟成のプロセスなど、具体的な工程を紹介します。
白ワイン製造に興味のある方や、ワインの製造をより深く理解したい方にとって、役に立つ情報です。

除梗、破砕について

ご存じの方も多いと思いますが、白ワインの発酵は、赤ワインと違い果皮を取り除いてから行われます。
そのため発酵させる前に、梗(こう)と果皮を取り除くことが必要になります。
梗とは聞きなれない言葉ですが、一言でいうとブドウを食べ終わった後に残る枝や茎のことです(果実以外の茎の部分)。


梗を取り除く作業を除梗(じょこう)と言います。
この除梗の目的は、タンニン類を多く含み一緒に発酵するとワインに青くさい植物的な香りをもたらす梗を、果粒と分離することです。
この青くささもワインの複雑性を増すために、あえて梗を加えることもあります。
除梗後に、果粒の皮を搾り果汁を搾り出す作業のことを破砕と呼びます。
除梗と破砕の2つの工程は続けて行われます。

もう一つ覚えいただきたい単語があります。
それは、フランス語のマスト「must」という言葉です。
これは、発酵前~発酵が終わるまでのワインの果醪(かもろみ)のことです。
果醪は、ぶどうの果汁・果皮・果肉・種子の混合物のことです。

少し脱線しますが、ワインの日本語の用語は読めない漢字のオンパレードです。発酵も醗酵と記載されることがあったり、果帽(かぼう)、結果母枝(けっかぼし)、長梢(ちょうしょう)などがあったりします。英語やフランス語の方が読みやすく、覚えやすいものも多くあります。

白ぶどうの果汁の取り方

直前に収穫した白ブドウは、かごに入れられて畑から醸造所に届けられます。
そのかごに入っているぶどうを、ひたすら除梗機にいれると、ガガガという音ともにブドウの果粒と梗にきれいに分離されます。
あっという間です。
分離された果粒は、一部破砕されており大きな桶に貯められ、それをプレス機に移動させます。


別の手法として、除梗破砕せず房ごと圧搾する方法もあります。
それをホールパンチプレスと呼びます。
ホールパンチプレスは、梗がクッションになり、マストと果皮の接触が最小限となり、この方法で得られた果汁は透明度が高くクリアなワインになります。

ワイン果汁は酸化します

マストを機械で処理する間は、どうしても酸素に触れる機会が多くなるため、酸素の取り込みが発生し、白マストの参加と褐変が急速に起こります。
特に気温が高い時にはそのスピードは速く、ワインの品質が低下します。
そのため、白ワインの作業工程はできるだけ短くする必要があります。
ブドウを酸化から守るために亜硫酸をできるだけ早く加える必要があります。


この亜硫酸は無色で非常に強い刺激臭があります。
間違えてにおいをかぐと咳き込んでしまうほどです。
ローマ時代から非常に長い間防腐剤として使用されてきました。


ワイン製造においては、厳しい使用基準があります。
亜硫酸は酸化防止剤と微生物の増殖抑制効果があり、そのため、美味しいワイン作りには亜硫酸の利用なしではほとんど不可能と思われます。
近年亜硫酸を使わないいわゆる自然派と呼ばれるワインの製法もでてきています。
ぜひ亜硫酸ありとなしのワインを飲み比べて、自分の舌で美味しさの評価をしてみてください。


スキンコンタクトで味が変わる

スキンコンタクトとは、果皮と果汁を一緒に保持し果皮の成分を抽出(葡萄の果汁を葡萄の皮に接触)させるという技術です。
これで、ワインのタイプや特徴など品質に大きな影響を与えます。
スキンコンタクトすることで、ブドウの品種特性の香りやワインの色合いなどに変化を及ぼします。
このようにワインに影響を与える物質は、「フェノール化合物」と呼ばれます。
フェノール化合物は奥が深いので、今後説明をしていきます。
一般に、熟成型の白ワインは、スキンコンタクトを長めにします。
ブドウが完熟している時は短めに、十分完熟していないブドウをスキンコンタクトをするときは青くさい草のような匂いがつかないようにするなど、醸造家の技量が試されます。



このあたりの手法は、なかなか本などではわからない部分です。

(続く)

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